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最新刊「花になるらん 明治おんな繁盛記」
京都の呉服商「高倉屋」のご寮人さん・みやび。女だてらに積極的に商売を拡げ、動乱の幕末から明治を生き抜いた女性の波瀾の人生を描く大河長篇。

さまよえる神剣 読者からの感想

さまよえる神剣1.jpg

さまよえる神剣
玉岡かおる/著
2,420円(税込)


読者からの感想の一部です。
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60代男

さまよえる神剣🗡️
良かった
偶然性はあまり無いが、有綱と可乃の出会いは良かった。
いつもながら、男女の出会いはうっとりする。
今回、地図を見ながら読み
土居川から仁淀川に下り
横倉山付近を見ていると
安徳天皇陵参考地が出てきて
鳥肌が立った。
玉岡さん
取材で高知の山奥を訪ねてましたが、大変でしたでしょ
玉岡さんの取材力にはいつも感心する。
機会があれば本に記載がある地を訪ねてみたい。
さまよえる神剣を読んで
神剣は民の心にあり
良き鳴動にするか、悪しき鳴動にするかはその人次第
と、感じた。
今、私の心の中で、玉岡文学に良き鳴動が治らない。


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60代女性 染色家


胸が締めつけられた。

子供の頃(昭和40年頃)、徳島から高知の県境にある大歩危小歩危を経て、祖谷のかずら橋を訪れたことがある。土讃線と吉野川とをかわるがわるに見ながら狭く曲がりくねった未舗装の国道を走るのは本当に怖かった。そこからさらに峻険な山奥に向かうと祖谷である。渓谷にかかるかずら橋は想像を絶する恐ろしさで、足がすくみ渡れなかった。そこには平家の落人伝説があり、何度も親に聞かされた屋島の合戦や那須与一の武勇伝の物語が祖谷で立体的につながったことを鮮明に思い出した。

そして何年か前にかおるちゃんが高知横倉山にある安徳天皇陵(と伝えられている)に(たしか)行ったFB投稿を思い出し、あの頃からこの小説の着想があったのだと気づく。大三島の大山祇神社へはかなり前に内子座へ行く途中に一緒に立ち寄ったことも思い出した。まったく作家というもの、小説の種をどこで拾うのかわからないと苦笑しつつ、感心する。

本書は安徳天皇が実は入水せず、草薙の剣も水底には沈んでいないという伝説に基づき、主人公である西国武士の次男坊小楯有綱と備前の刀工伊織、かんなぎの奈岐の三人による神剣探しのミステリー仕立てのロードノベルである。神剣を探すという命を受けた有綱の成長を描くビルドゥングスロマンでもあり、平家落人伝説に腑に落ちる納得性を与える考察もあり、壮大なテーマに挑みながらも帝、臣、山、神、海という巻建てが多層多重にからんで小説として非常に魅力のある構成となっている。

通底してある種の切なさが行間にあふれている。それは幼い安徳帝が本当にこのような峻険な山道を歩んだのだろうか、こんな辺鄙なところで成長なさったなんて何というおいたわしさかと作者自身が想う憐憫の情のようなものが、行間に満ち満ちているからだと思う。同時に当時の北条方がどれだけ平家を根絶やしにしようと血眼になっていたか、その追手から逃れるため帝を奉じてより険しい山中へと向かう壮絶な逃避行の様子をも作者は描く。なぜ、こんな山中に落人伝説があったのか。そのことがすんなりと腑に落ちる。見事。

で、肝心の神剣の行方は?そもそも天皇に三種の神器は必要なのか。即位の礼のときには形代をつかうというから、本物の神剣があろうとなかろうと天皇は天皇ではあるのだろう。作者は最後に書く。民のため国のためひたすら鎮護をさぐる者が天皇だと。それは、平成から令和へと受け継がれている現在の天皇のお姿に重なっていく。

エピローグ。人はなぜ学ばない?なぜまだ争い傷つけ合う?作家からの切なるメッセージである。見事。

ああ。もう一回読みたくなってきた。


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50代女性 雑貨アーティスト


先生こんばんは!
【さまよえる神剣】読み終えました!
難しかったけど日本の象徴である天皇のことを改めて凄いことだなーーと思いました。

生きていく過程が大切ですね!
何回も読んで勉強します!

そして!
私には2歳の孫がいるのですが、その名を伊織と申します!

よきかなよきかな

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50代男性 鈴木商店オタクの商社マン


GWに2日でいっきに読み終えてしまいました。私の頭の中は一週間たっても神崎川、四国、隠岐の島を旅している感じです。最後地頭が死んでくれてよかったです。源平合戦と承久の乱まで見事繋げていただきました。天皇とは何なのか、物理的なものではなく日本人の心の底にあるものを探しあててくれました。感謝です。昨日内子町の皆さんにも宣伝しておきました。こりゃ四国の落ち武者伝説の旅をしないといけませんね。ちなみに私は五島列島に最近凝っていて、宇久島の平家の話にも惹かれています。神崎川には遊女塚があり、そこは岩井商店の台工業団地で関西ペイントとダイセルの工場が今でもあります。遊女塚はダイセルと関西ペイントが奉納しています。静岡出身の私は島が駿河湾にないので、瀬戸内や隠岐の島の話は地形も含めて読み入ってしまうんです。

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60代女性 図書館アドバイザー


さまよえる神剣を読み終わりました(本)
三人と一緒にハラハラどきどきしながら四国の山の中に入って行ったような気がしました
最後の隠岐の島での話も納得。
実に面白い小説でした。いっきに読んでしまいました。

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40代男性 僧侶


ようやく読了しました。
実は日蓮教団以前の法華経解釈に関してほんの少しだけお手伝いさせていただいたこの作品。
本作の舞台「承久の乱」前後の時代は、日蓮聖人御生誕と同時代。
日本中大混乱に巻き込んだこの事変、もちろん日蓮聖人の人生に大きな影響を与えた事でも有名です。
この作品は
 海なし県に住んでいる私にも、天下分け目の海戦を、その後に何事もなく凪ぐ静けさと日本海の荒々しさ。そんな匂い立つ様な潮騒に誘われます。
 時代のうねりに流されるも抗って懸命に生き抜く登場人物に心打たれます。
色鮮やかに開かれる芸能の数々。当時の世界に思わず入り込む様な錯覚に陥ります。
 是非読んでみてください。おすすめです。

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60代女性 会社経営

最近 体調イマイチで
買い物も ままならず
遅ればせながら
やっと かおる先生の新書が 手元に💕💕💕
気分転換にと ページをくると
あらあら
引き込まれて、、、
引きこもりで 読みそうです😅😅
ps 地元の本屋さんも数少なくなっていて 焦りました😅

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60代男性 団体勤務

#読後感想
#さまよえる神剣
#玉岡かおる 著

播磨の文豪、畏れ多くも私をフォローしてくださっている玉岡先生の堂々の最新作。

源平合戦壇ノ浦の戦いで、幼い安徳天皇と共に消えた、三種の神器のひとつ、天叢雲剣(別名草薙剣)を探すロードムービー的な推理小説で、物語のスタートは我が郷土明石からです。

入水せず生きながらえたと伝承のある幼帝と平家の落武者らの足取りを追って、若武者と若き刀匠、少女の巫子が奇縁で結ばれ、お互い助けあい、様々な登場人物に翻弄されながらも、それぞれの特技を活かし、彼らなりに推理し、その場所に関わる亡き者に憑依される巫女に助けられ、土佐の果てまで神剣を探しにいきます。さぁ、神剣は見つかるのでしょうか!

私は、ファイナル・ファンタジーのように、RPGをしているような錯覚を生みながら、ところどころNHK大河の清盛や鎌倉殿を思い出しながら、8割ほどをここ3日のうちに読破しました。

あえて道程の地図や人物相関図を載せていないのは、読み手の想像力と記憶力をお試しになってるのかと勘繰りましたが、そこは章変わりには容易に、語り手が理解できるようになっています。

何のために生きるのか、何をしていかねばならないのか、終章では戦火の止むことない現代人に鋭く問われているような気がしました。

その一つの答えが、刀匠の師匠が旅立つ時にかけた言葉「いいな、ひたすらに、よきものを作れ、よきものには神が宿る。神が宿ればそれがすなわち正義となる。精進せよ。正義を作っていく者、それが匠じゃ。神に最も近き造部(つくりべ)じゃ。」

で、個人的には四国潜幸の旅路の辺りで、高校卒業記念ソロツーリングをした時に、未舗装の国道の峠道を走って行くときの不安さと、希望を思い出しました。


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posted by 管理人 at 17:48 | お知らせ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする